ジョニー
A「う〜ん」
B「どうしたんですか? あっ、さっき怒られたこと気にしてるんですか?」
A「へ?」
B「すごい剣幕で怒って出て行きましたよ、すいませんね、マスター。Aさんがご迷惑かけて」
マスター「いえいえ」
A「だってよ、すごい久しぶりにこの店に来たんだよ、あの人。最初雰囲気変わってたから一瞬分からなかったけど、あっ!てなもんですぐ分かったんだけど、フェルトハット被って、
丸型のメガネかけてて、ちょっと口とアゴにヒゲ生やしちゃったりしちゃってさ、あのハリウッド俳優の名前言ってくれみたいな空気を感じたからさ、『Dさん、まるでジョニーデップならぬ、ジョニーデッパですね』って言ったら怒って出て行ったんだよ。言葉にならない言葉を吐いて」
B「そりゃ、ジョニーデップになりたいんだからデッパって言われちゃ怒るでしょ」
A「だって出っ歯なんだもん! Dさん。嘘付けないじゃん」
B「そこは褒めてあげないと。ね?マスター」
A「マスターだって俺が言ったとき笑いこらえてたじゃん! ていうかあんな格好今時ジョニーデップでもしないだろ! 古いよ」
マスター「でもDさんはもしかしたらイメチェンしたくて一念発起して、あれだけ揃えて、どう言われるだろう?ってテストのつもりでこの店へ来てくれたのかもしれませんからね〜」
A「だから出っ歯って言ってやったんだよ。だめだよ甘やかしちゃ」
B「じゃ、なんで悩んでたんですか?」
A「それだよ。これ見てよ」(スマホをいじる)
記念事業 | 大政奉還150周年記念プロジェクト ― 歴史に学び 地域でつながり 未来に活かす ―
B「大政奉還150周年? これがどうかしたんですか?」
A「そもそも150周年ってなんなんだ? 記念て。祝うものなのか? ちょっと何かイベント作りたくて漁ったら大政奉還出て来た感がすごくない?」
B「ん〜、周年自体の漢字の意味としては特に祝うっていうことじゃないからアレですけどね、確かに『記念』っていうのは違和感を感じるかも」
A「だろ? 何やるの? 歴史を深く知ろうっていうことならいいけど、スタンプラリーとかやるんだぜ? もう観光地としてマヒしてんじゃないの?」
B「そういえば、こないだ駅で周山の観光案内ポスターがあったなあ、あんなとこ、観光客が言って喜ぶんだろうかって思いましたけど」
A「もう真新しい観光地がないんだよ。でももっと掘り下げていきゃあいいのに、新しい場所ってやるからおかしなことになるんだよな」
B「まあ、祝いたい人もいるんじゃないですか?」
A「別にそれはいいのかもしれないけど、そういう観光ばかり力を入れて、市民がないがしろにされてないか?って俺は思うわけよ」
B「ああ」
A「俺の友だちでさ、住んでる家の近くにゲストハウスがあるらしいんだけど、夜中でも大きな声で話はするわ、キャリーバッグの音はうるさいわで苦情を何度も入れてるんだけど、改善されてないんだってさ」
B「それは嫌ですね。衣食住の邪魔をされるとイライラしますもんね」
A「だろ? そういう整備はないがしろにしてじゃんじゃんゲストハウスやら民泊やらしてるんだぜ。ちょっと何かが違うような気がするんだよな〜。って俺は悩んでるわけよ」
B「Aさんにしてはなかなか真摯な悩みですね」
〜ジョニーデップ風の格好をした別の客(E)が来店〜
マスター「いらっしゃい、ああ、久しぶりです」
E「久しぶり 笑」
A「ああ、Eさん、最初分からなかったよ! Eさんイメチェン? ジョニーデップ? ジョニーデップというよりはジョニーデッブですよね!」
E「のはうしょいうあbcんふぃうえはうえいへbふぁーーーー!」
バタン
B「全然学んでない」
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