レバ刺しを食わせろ

思ったことを間違ったまま書いている

俺たちの時代 2

A「こないだ駅前を歩いてたら歩きスマホしてる女とぶつかってよ、アレなんとかしてくれないかな」

B「ああ、なんか事件とかにもなってますよね」

A「なんか歩きスマホしてる人が殴られたってやつだろ? 殴るまではいかないけど、腹立つのは間違いないよな!」

B「ん? でも待ってくださいよ。お互い歩いてたんですよね?」

A「そうだよ」

B「Aさんなんで避けなかったんですか?」

A「えっ? なんでって・・・」

B「見てなかったんでしょ?」

C「それしかないな」

A「うるせーよ! 俺が悪いのかよ!」

B「悪いわけじゃないですけど、Aさんもよそ見してたわけだし、その女の子が一様に悪いってわけじゃないですよね?」

A「お前歩きスマホのかた持つのかよ! いつからお前はそんな現代っ子になったんだ? ん? お前も歩きスマホするのか?」

B「かた持つわけじゃないし、だからといって歩きスマホたことないかっていえばしたことはありますよ。でもどういう状況でもよそ見してる方が悪いんじゃ…」

C「周りから見れば歩きスマホの方が悪そうに見えるんだろうな」

B「そう、人や障害物にぶつかるから危ないですよっていう啓発ならわかるけど、事件もそうですけど、悪いってわけじゃないと思うんですよ。ただ、注意はしてもいいかな」

A「なんだよ! なんで俺が悪いって結論ついてんの? 確かによそ見してたけど、あの女が歩きスマホしてなかったら女の方からよけれたかもしれねえじゃねえか!」

B「でもよそ見してたからなあ、例えば、例えばですよ、前から女の子が歩きスマホしながら歩いていて、Aさんがよそ見しないでいたら、Aさんが結果よけて、『危ないよ』なんて優しく注意してあげると・・・」

C「彼女はお前に『キュン』ってなってスクエアプッシャーってなるかもしれない」

B「何ですかスクエアプッシャーって 笑」

C「ニュアンスだよ、ニュアンス」

A「優しくな…」

C「何? まんざらでもない? そうだよ、お前が心を広く持てば彼女だって今頃はお前にスクエアプッシャーだったんだよ」

B「そうですよ、時代ですよ。確かにぶつかるのは良くないでしょうけど、一つのきっかけっていう考え方は良いですよね」

A「ん〜、どうも納得いかないな、電車の中でも皆スマホの画面見てるだろ? ああいうのも俺たちの時代はなかったけどな」

B「それはその時代にスマホがなかったからですよ。本だって一緒じゃないですか? それはAさんがただその状況や環境に順応できてないからだけじゃないですか?」

A「うるせーよ!」

B「ただ黙ってスマホ見てる人と、酒飲んだ帰りで酔ってぐでんぐでんになってる人とどっちが迷惑なんでしょうね?」

A「わかったよ! これからは心を広く、優しく注意することにするよ! ほんとうにうるせえなー」

C「それでスクエアプッシャーってするんだろ?」

A・B「爆笑」

A・B・C「ん? だれですか?」

D「さっきから、スクエアプッシャーをバカにするな!」