第6話 行くぞ!はじめての海
僕の名前は戸々高公太郎。
僕は意識を失っていた。確かロコちゃんとボーイの木村君の浮気現場を取り押さえようと突然木村君の住んでいるアパートに入ったところまでは覚えているんだけども。
気がつくと両手両足を縛られて、口には猿ぐつわをされて、狭い密室の中に閉じ込められている模様。
エンジン音が聞こえるから、ここはトランクの中なんだろう。
運転席からは何も聞こえない。
何か話している様子もないが、車はある所で止まったみたいだ。
どうやらロコちゃんとカナちゃん、木村君の3人が何やら話している様子。
僕はどうなるの?
するとトランクが開けられ、夜だったけど波の音が聞こえてきた。海だ。海に来るのは正直初めてだったけど、まさかこんな状態で来るとは。
僕は木村君に頭、ロコちゃん、カナちゃんには足を持たれ運ばれている。
このまま死んでしまうのかー
そう思っていたら突然雷が鳴り、激しい雨が降ってきた。
ロコちゃんとカナちゃんは思わず手が滑って僕の下半身は地面に落ちた。思い切り膝を強打してしまった。
3人は僕を置いてどこかへ雨宿りに行った。
3人は岩場の影に雨宿りをしていたけど、波が徐々に高くなり、動けなくなってしまう。
僕は何とか地力で縄をほどき、ロコちゃん立ちの方を見る。すると、もう戻れないくらい波も高く、このままでは3人とも飲まれて死んでしまう。
そこへ偶然通りかかったロコちゃんの店の常連でもあり、ロコちゃんのパパ達の中の一人でもある漁師のパパに遭遇し、何とか3人を助けることに成功!
雨も上がって波も落ちついてきた。
ロコちゃんたちは僕に他人行儀な素振りを見せながらも家に帰ってから「ごめんなさい」ととても泣いていたっけ。