レバ刺しを食わせろ

思ったことを間違ったまま書いている

ゾっとした話

今、よくよく思い出したら20年位前の話になるが、

とある人の誘いで合コンに参加することになった。

男4人、女4人くらいで知っている人はその、誘ってくれた人のみ。人見知りの僕は、人数合わせ程度だろうとしか思ってなかったのだが、当日、初めて合う男の人はとても優しくしてくれ、

「今日は、特上ばかりだから、オゼキくんもがんばって、サポートするから」と声をかけてくれた。

そして、待ち合わせ場所の居酒屋に男4人入ると、

3人までは良かったんだ。3人までは。

その初めて会う男の人を1人目がAさん、2人目がBさん、そして僕の唯一知っている人をCさんだとして、

そのAさんの向いに座る女の子Dさん、Bさんの向いがEさん、Cさんの向いがFさんまでは良かったんだ。

年齢も近そうだし、どこ子を選んでも良さそうだし。

僕の向いはどうだ。

その3人の女の子の保護者か?と言うくらい年が離れている。一体どういうことだ。そうか、一人は急用ができて来られなくて、3人で待っていると相席を申し込まれたあれか、だからこの人だけ赤の他人なんだろう。そうに違いない。そうであって欲しい。

しかし僕の思いも空しく、Gさんとして、そのGさんが、

「これで全員揃った? じゃあ始めようか」

と仕切りだしたのだ。

僕はCさんを見た。

Cさんは僕を無視している。

AさんとBさんを見た。

僕を無視している。

ついでにAさん、Bさん、CさんはGさんも無視している。

とてもじゃないけど気軽にGさんに「いくつ?」と聞けない。

「いくつに見える?」なんて聞かれた日にゃあ、

「に、二十、四五十?」と答えてしまいそうだ。

Gさんは僕をジーっと見ている。何も言葉を発することなく、僕とGさん以外の空間はとても楽しそうだが、僕だけGさんの別次元空間に連れて行かれたようだ。

だが時々Gさん以外の女性陣が僕に気を使ってくれて、また同じ次元空間に連れ戻してくれたことは今でも感謝している。

とても苦痛を感じた2時間だった。

2次会のカラオケも誘われたが僕は用事がある(本当は何もない)ことを伝え、足早に帰ったことは言うまでもない。

そして数日後、Cさんと会い、

「この間はありがとうございました。正直言って苦痛でした」と言うと、

Cさんが、

C「オゼキくん、そう言われた後で言うのが辛いんやけど……」

僕「えっ」

C「この間のメンバーで遊びに行こうって話になって…」

僕「えっ、僕ありきなんですか?」

C「Gさんが『この間の8人で』って…」

僕「嫌ですよ、あの時の苦痛は拷問されているのと一緒ですもん、適当に用事があるから行けないって言ってくださいよ」

C「AとBがこないだのDちゃんとEちゃん気に入って………お願い!ついて来てくれるだけでいいから!頼む!予算は出すし!」

僕「………その日だけですよ。どこ行くか知らないですけど、終わったら帰りますからね」

C「ありがとう! 良かった」

というやりとりをし、迎えた当日、

バーベキューをしようということで、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんとそれらしい格好をしていたのに対し、Gさんは何ヤンフィフィなんだと言わんばかりの格好、皆がセッティングをしているのに、まったく動かない。

ていうかあの3人とGさんのどこに接点があってどういういきさつでこの4人と選抜されたのだろうか。高野連でももう少しまともな選抜方法なのに。謎は深まるばかりだ。

Cさんの「オゼキくんはここに座ってていいから」という何もありがたくもないお言葉をいただき、

僕「僕今までバーベキューに参加していた中で、こんなに皆のために働きたいと思ったことはないくらい働きたいんです」と答えたのもつかの間、Gさんが、

G「座っときいな、アタシの話し相手にでもなって」と、「いや、僕はカウンセラーでもないし、そんな介護技術もった人間でも」と言いかけたのを一気に飲み込んで、「はあ……」と答え、観念した。

するとGさん、

G「今日の服装、アタシとオゼキくんお揃いみたいやね」

キャァァァァァァッァァァァァ!


【世にも奇妙な物語】_テーマソング_【高音質】