手袋を盗られた話 デジタルリマスター版
手袋を盗られたんです。
とられた手袋、右はグワシ。
ちょっと前に。
朝、駐輪場にきたら自転車のカゴに入れておいた筈の手袋がない。
あの、僕の体液という体液が、あの手袋の手を入れる、指という指のところに
ねちゃねちゃになって入っているあの僕の手袋がない。
すぐに、手袋がない=盗られたとは認識できず、
あれ? 昨日持って帰ったかな…… って思ったけど、
やっぱり盗られたんだと思い、小雨の降る中、手袋なしで職場へ向かったんですけど、
「ヤだなぁ、冷たいなぁ、寒いなぁ」と自転車を走り出して100mもしないうちに
挫け始めて途中のコンビニで安い手袋を買って行ったんですけど、
盗られたっていうところにはあまり関心がないんですが、
あの僕の「ネッチャリ感」がハンパない手袋(通称・ネリチャギ)を誰がはめて行ったのかって
いうところに気持悪さを覚えます。
ファンかな? 僕が毎日付けている手袋を見て、「欲しい」って思ったのかな?
僕は盗った人を真木よう子に脳内変換し、その盗られ様に興奮すら覚えたのは記憶に新しいんですけど、
3日後くらいですか、いつもの様に駐輪場に入ると、
僕の隣りに止めている、単車のシートの上に僕の手袋が乗っているではありませんか。
なんてことでしょう!(劇的ビフォーアフター)
あまりにも大胆に置かれているので、僕はしばらく現実を受け入れられず、直視するのみだったんですけど、
僕のファンじゃなかったんだ……
真木よう子似の女性じゃなかったんだ……
マイク真木の方だったんだ……
せめて蔵人なら、蔵人なら……
この屈辱的な展開に、舌打ちをドラムンベースばりに打ち続け、職場に着いたんです。
すぐに管理会社に電話し、
「隣りの人は疑惑の総合商社ですよ!」と辻元清美を彷彿させるかの様なセリフで文句を言ってやったんですが、
後々にその管理会社から折り返しの電話があり、
本人に問いつめたところ、
「拾った」
「ヒロッタ?」
この管理会社の女の人は何を言っているのだろう? 突然僕にサッカー・イタリア代表の新進気鋭のサイドバック、アントニオ=ヒロッタのことを言われても、なんてことを思っていると、
「拾った、と言うんです」と。
「男の子が、駐輪場の室内で、手袋を拾って使ったって言うんですよ~」
いや、それでも犯罪ですから。
道端に落ちてたとして、使うのか? ああ、このほうれん草のソテーにあと一滴ごま油が足されてたらもっとおいしいのに、あと一滴だけせめてかかっていたらバターの風味と相まってたかがほうれん草のソテーが1ランクアップするのに、あ、こんな道端にごま油が落ちてる…… ええい、ままよ!
って使うの?
ガマンしろよ!
手袋帰ってきたけど、使うの気持悪い(涙)